スポーツ選手の新型コロナウイルス感染を、しばしば耳にする。プロ野球やサッカー・Jリーグの選手、また2021年の大相撲1月場所では、横綱・白鵬を筆頭に65人の力士が感染や濃厚接触のため全休した。ラグビー・トップリーグでも集団感染が発生。複数報道によると、1月20日までに6チームで選手・スタッフら計68人に陽性が確認された。
日本臨床スポーツ医学会副理事長で、医学博士の山澤文裕氏はJ-CASTトレンドの取材に、「スポーツをやっていても感染症にはかかります」と指摘する。感染症を引き起こすウイルスや細菌に対する体の鍛え方は、存在しないのだ。
「非常に飛沫を吸収しやすい」
新型コロナウイルスの場合、発病の2日ほど前から他人にうつるようになる。山澤氏によるとこれが「非常に重要な点」だ。無症状の感染者とトレーニングをして飛沫を浴びることで、うつされてしまう場合があるとした。特にラグビーやレスリングのように、接触を伴うスポーツでは「非常に飛沫を吸収しやすい」。
さらに「チームスポーツに関しては、非常に他の人にうつしやすいし、うつされやすい」と山澤氏。こうしたスポーツでは、合宿所で他の選手と生活を共にすることも多い。他人との食事や共同での入浴を通して、感染が起きる可能性があるとのことだ。
大相撲では部屋内で数人の力士が感染したケースがあったが、こちらでも生活を共にしたことで感染が生じたのではないか、ラグビー・トップリーグについては「練習環境やロッカールームでの感染、食事などで感染が拡大したのでは」と、それぞれ推測した。