任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」(スイッチ)が、ECサイト「アマゾン」で値上がりしている。スイッチといえば、2020年にも手に入りにくい状況が続いた人気ハードだ。
昨年は、新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり需要」で品薄が生じたとみられる。2021年に入っても価格上昇傾向は続くのか。
ゲーム業界にも詳しいアナリストに聞いた
スイッチの「ネオンブルー・ネオンレッド」(以下、ネオン)と「グレー」両カラーの希望小売価格は2万9980円(税別)。税込で計算すると3万2978円だ。
アマゾンの商品価格の推移を確認できる非公式アプリ「Keepa」によると、それぞれ20年1月から12月まで、新品価格が3万6000円(税込・以下同)以上で出品されていた。その後、12月12日から21年1月中旬にかけては3万2970円前後と、希望小売価格に近い数字で安定していた。
ところが、ネオンは1月23日ごろから、グレーは19日ごろから再び3万6000円を超すようになった。29日現在、ネオンは3万8500円、グレーは3万8000円で出品されている。
なぜ再び高騰気味なのか。そして今後の供給はどうなるのか。J-CASTトレンドは28日に楽天証券経済研究所チーフアナリストの今中能夫氏に取材した。今中氏によると、定価以上の価格で販売しているのは転売業者によるもの。一方で、実はスイッチに対する消費者の関心は低下してきているとの見解も示した。
今中氏によると、20年には新型コロナウイルスの影響で生産に支障が生じ、スイッチの供給が追いつかなくなった。また巣ごもりによる需要もあり、日本では3月から10月ごろまでおおよそ7か月間店頭で欠品状態となり、アマゾンでは3万8000円から5万円での転売が続いた。
しかし入手困難が半年近く続いたことや、映画館やテーマパークといった娯楽施設も再開されたことにより、スイッチに対する関心が下がった可能性があるという。そして10月下旬からハードウェアの供給が再開され、アマゾンでは12月から正価で販売されるようになった。