桑田真澄氏が、読売ジャイアンツで1軍投手チーフコーチ補佐に就任する。現役引退後は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を修了し、理論派として知られているが、プロ野球でのコーチ経験はこれまでなかった。実に15年ぶりの古巣復帰だ。
桑田氏のように、現役時代に「理論派」などと評されながら、いまだにプロの指導者としてユニホームを着ていない元選手は、ほかにもいる。
長谷川滋利、江川卓、「侍ジャパン」監督も
オリックス・ブルーウェーブ(現・バファローズ)や米大リーグで、1991~2005年に活躍した長谷川滋利氏(元投手)は、メディアから「理論派」と評されることがある。現役時代から「適者生存―メジャーへの挑戦」(幻冬社)など複数の著書を執筆し、引退後は解説者を務めている。英語も堪能だ。また、オンラインサロンを開講し、野球選手やビジネスマンに向けて「メンタルトレーニング」について解説している。ただし、球界での監督やコーチは未経験だ。
桑田氏と同じ巨人では、江川卓氏が挙げられる。現役引退後には配球や投手の心理について述べた著書「江川流マウンドの心理学―野球の面白さ100倍!駆け引きバイブル」(廣済堂)も執筆しており、野球解説者としての評価も高い。2011年11月25日、元巨人軍球団代表だった清武英利氏は会見で、江川氏を巨人の1軍ヘッドコーチとする構想が存在していたと明かした。ただし実現には至らなかった。
2017年から野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務めている稲葉篤紀氏も、実はプロ野球の監督・専任コーチ経験がない。北海道日本ハムファイターズで、現役時代の13年に選手兼任で1軍コーチを務めたにとどまっている。