マンガソムリエ激推し!2021年にブームが来るマンガはこれだ 

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【識者が大予想!2021年】

   新型コロナウイルスが、生活や意識を大きく様変わりさせた2020年。外出自粛で多くの人が自宅で過ごす時間が増えるなか、場所を選ばず楽しめる娯楽のひとつが「漫画」だ。

   感染への恐怖や、家族や友人との関係性の深まり、あるいは分断など、コロナ禍がもたらした意識変化は、漫画の需要にどう影響を与えているのか。蔵書1万2000冊を誇る「マンガソムリエ」の兎来栄寿(とらいえいす)さんに、2021年に注目を集める漫画のジャンルと作品を予想してもらった。(聞き手はJ-CASTトレンド編集部・藤原綾香)

  • 「マンガソムリエ」の兎来栄寿さん
    「マンガソムリエ」の兎来栄寿さん
  • 「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
    「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
  • 「はじまりのはる」
    「はじまりのはる」
  • 「7SEEDS」
    「7SEEDS」
  • 「マンガソムリエ」の兎来栄寿さん
  • 「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
  • 「はじまりのはる」
  • 「7SEEDS」

母への愛情がゆえに「遺骨を食べたい」

――ずばり、兎来さんが考える「人気が出そうなジャンル」とは。

兎来 「それまでの日常が失われた中で強く生きる人間を描いたもの」です。コロナ禍によって私たちの日常は大きく変わり、以前の日常を描いた作品は今や「フィクション感」を際立たせるものになってしまいました。そのため、「今までの日常から大きく変わってしまう物語」に、そして「変わってしまった世界の中でも必死に強く優しく生きる人間の姿」に共感が生まれる時勢かな、と思います。

――具体的な作品名を挙げるなら。

兎来 3つあります。1つ目は「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(作者:宮川サトシ)。33歳で母を亡くしたギャグ漫画家が、自身の体験をもとに描いたエッセイです。「母親を亡くした瞬間は、どう生きていいか途方に暮れた」主人公が、最終的には母親が遺してくれたものに気づき、「生きなければいけない」と前向きに変わっていく姿に胸を打たれます。

――「遺骨を食べたい」とは、インパクトのあるタイトルですね。

兎来 火葬場で、骨壺に入らなかった母の遺骨が係員に引き上げられるのを見て、作者は「自分の身体の一部にしたい」と願います。母への愛情がゆえに湧きあがった感情だと思います。母を亡くした人は共感できる内容ですし、まだ生きている人にとっては、いざ亡くなったとき「どんなことが困るか」、「どんな変化が起きるのか」など、将来を想像する機会になるのではないでしょうか。
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