「呪術廻戦」はポスト「鬼滅の刃」か プロが分析「ヒットの秘密」(前編)

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「鬼滅の刃」との共通点は

――同じく「少年ジャンプ」で連載した「鬼滅の刃」は、社会現象になるほど大ヒットしています。呪術廻戦には、鬼滅の刃に通じる要素はみられますか。

マンバ 両者の主人公が他者への思いやりという「美徳」を備えている点です。鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)は常に穏やかで心優しく、困っている人がいれば当たり前のように手を差し伸べるような少年です。常に礼儀を忘れず他者の気持ちに寄り添い、大切な家族を鬼に惨殺されたにも関わらず、とどめを刺された敵の鬼すら哀れむ姿は印象的です。そして炭治郎と同じように、呪術廻戦の主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)もまた、他者への思いやりの心を持っているのです。
   虎杖は、唯一の家族であった祖父を病気で亡くし、その直後に初めて呪いの恐ろしさを目にします。呪われた人間は、本来であれば決してありえない尋常ならざる姿となり、運が悪ければ死に至ります。自分の周囲の人にも祖父と同じように「正しい死」を迎えてほしいと、自らの意志で呪術高専に入学しました。
   ムードメーカーで精神・身体ともに強靭(きょうじん)な虎杖は、呪いの被害に巻き込まれた人々の悲しみに寄り添いともに胸を痛める優しい少年です。品行方正な炭治郎とは異なり、未成年が本来立ち入ってはいけない遊技施設に行くような一面もありますが、「他者に思いやりを持って接する」という美徳を兼ね備えているところが炭治郎と共通していおり、これが2人の非常に大きな魅力です。

(後編に続く)

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