身の回りにある健康リスクについて正しい知識をバランスよく持つ
J-CASTトレンドの取材に答えた産業医で経済産業省の臨時専門アドバイザーも務める岡原伸太郎氏は、新型コロナの感染リスクを恐れて健康診断やがん検診を受診しないことについて「新型コロナウイルス感染症以外の健康問題にも、意識して目を向けることが必要」だと話す。「科学的なデータを見ると生活習慣病やがんなどの病気は新型コロナウイルス感染症と同じかそれ以上に『誰しもかかる可能性があり』、『かかった場合に重篤になる可能性がある』と考えるのが適切」とも。
しかし、人の関心は新型コロナという大きな危機に集中しており、情報を提供する側もその関心に応えようと情報が偏りがちになってしまう、と指摘。それが更に人の関心や不安を増強してしまうため、専門家やメディアは不安や注意の対象が極端に偏りすぎないよう情報発信する必要がある、と分析した。
今後新型コロナを踏まえながらも健康診断の受診率を高めていくには「多くの人が新型コロナウイルス感染症だけでなく、身の回りにある健康リスクのことについて正しい知識をバランスよく持ち、それらに対して正しく怖がるということが重要」と強調する。そのためには
「医療や予防の専門家や医療従事者の方々が病気に関する正しいリスク情報や安心できる情報を広く社会に伝えていくことも必要」
だとした。