東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの一部アトラクションで導入されている「スタンバイパス」。入園後に東京ディズニーリゾート・アプリで取得すると、スタンバイパスに記載された指定の時間帯に、各施設につき1日1回限定でアトラクションの列に並ぶことができる。
ただこのパス、インターネット上ではいまひとつ評判がよくない。メリットがよくわからないというのだ。
持っていないと「対象施設」利用不可のケースも
運営会社のオリエンタルランドが2020年9月に始め、12月22日に対象施設が新たに増えた。取材に答えた同社広報は、発券所に赴く必要があるファストパスと異なり、スタンバイパスはアプリ上で取得できるので、アトラクションに並びながら別のアトラクションのパスを取って、予定を決められる利便性があると話す。
ただツイッターには、「通常のスタンバイ時よりも並ぶ」、「メリットってなに」と利用者から厳しい声が寄せられている。「待機時間を減らすためにスタンバイパス導入したのに待ち時間伸びてる」とも。
スタンバイパス導入前より、待ち時間が長くなっている、混雑していると感じている人がツイッター上に複数見受けられる。
東京ディズニーリゾート公式サイトによると、スタンバイパスの対象施設においては以下の二つの時間帯がある。
(A)すべてのゲストがスタンバイパスなしで並べる
(B)スタンバイパスを持っているゲストのみが利用できる
スタンバイパスを持っていないと、そもそも「対象施設」を利用できないケースがあるというのだ。そのため、スタンバイパスを持つ「メリット」は「スタンバイできること」とのツイートもあった。
待ち時間を「できるだけ少なくする」ため
オリエンタルランド広報に、改めて「スタンバイパス」の仕組みを取材した。
「スタンバイパスは、アトラクションの待ち時間をできるだけ少なくするための取り組みです。ただ『ファストパス』とは意味合いが異なります。指定の時間にアトラクションのスタンバイ列に並ぶための、『整理券』のようなものだとご理解ください」
指定時間にアトラクションを利用すると待ち時間が少なくて済む「ファストパス」(2020年12月22日14時現在、発行休止中)とは異なり、あくまでも「並ぶ権利」を得るための仕組みだ。
ツイッターに投じられている「混雑」や「システム廃止」の訴えを広報に伝えた。「通常の待ち時間より混んでいると感じているゲストがいる」ことは受け止めつつも、曜日や時間帯、またアトラクションによって、「通常の待ち時間」はそれぞれ異なると前置きしたうえで、スタンバイパス導入の経緯についてこう話した。
「コロナ禍で入園制限を行っていますが、一部のアトラクションでは待機列が非常に長く伸びてしまい、ソーシャルディスタンスを保つことが難しくなるケースがあります。ゲスト、キャスト共に、少しでも安心・安全に利用してもらうための取り組みとご理解いただけますと幸いです」
システム廃止の予定は「今のところ未定」だ。