農林水産省は、農林水産物の生産者を支援する「#元気いただきますプロジェクト」を推進している。国産食材販売時の送料支援などを通じて、生産者への「応援」を消費者に呼びかけてきた。
そして食材の需要が高まる年末に合わせて「年末年始も国産食材を食べて応援!キャンペーン」を行っている。プロジェクトへの参加を消費者に促すため、ウェブ動画「そのいただきますが、ニッポンを元気にする。『おうち時間篇』」を2020年12月18日から公開している。
指定の食材の送料が無料
農水省は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、インバウンドの減少や輸出の停滞などにより在庫の滞りが生じている食材の販促を行うため、「国産農林水産物等販売促進緊急対策事業」を実施している。農林水産省の公式サイトによると補正予算は約1400億円とされており、支援を希望する事業者について5月から公募を行っている。
この事業に8月から「#元気いただきますプロジェクト」という名称が付けられた。指定のECサイトで牛肉や水産物(マグロやホタテガイなど多種)、野菜に果物(メロンやマンゴー、ワサビやたけのこなど)といった対象品目を販売した際の送料を支援している。全ての対象品目はプロジェクトの公式サイトから確認できる。
また公式サイトの「参加事業者」のページにアクセスすると、「国からの送料支援によって送料がお得なECサイト」という項目で各事業社のプロジェクト特設サイトへのリンクが表示されている。
各事業者のサイトでは支援対象の商品が販売されており(対象外の商品が販売されている場合もある)、対象商品の場合多くは送料無料となる。また、例えばプロジェクトに参加している魚介類専門サイト「Fish & Bread」では支援対象商品の「天然本マグロ柵ハーフ・特大ホタテ 生食用」のセットは配送方法がクール便で送料無料とされているなど、クール便や冷凍便も無料の場合が多い。
SNSでつながる「応援の輪」
プロジェクトは生産者への「応援の輪」を広げることを目的に、ハッシュタグ「#元気いただきます」を付けた上で食べた国産食材の写真などをSNSに投稿するように呼びかけている。一部の投稿は公式サイト・公式インスタグラムに掲載される。
今回のウェブ動画は「おうち時間」がテーマ。外出が難しい中でも工夫して家族との時間を楽しむ際に、同プロジェクトを利用してもらいたいという思いをこめている。休日の過ごし方として「おうちでいちご狩り」を思いついた夫婦がプロジェクトサイトからいちごを購入し、部屋に飾り付けて家族で「いちご狩り」を行うという内容だ。
そして生産者に感謝を伝えるためにSNSにいちご狩りの様子を投稿すると、「すてきなお写真ありがとうございます」と生産者から返信が届く。自宅で過ごしながら、消費者と生産者に新たなつながりが生まれる様子が描かれている。
動画はキャンペーン特設サイトやプロジェクトの公式インスタグラム、農水省公式ユーチューブで公開されている。また、25日以降には「お食い初め篇」「オンライン飲み会篇」と新たな動画を順次公開する予定だ。