プロ野球のベストナイン、阪神タイガースは5年連続で選出ゼロとなった。一方、この間のチーム成績は4位・2位・6位・3位・2位でAクラスを3回確保している。際立って弱いわけではない。
ベストナイン不選出でもチームはAクラス、というケースは複数ある。今季は阪神のほか、中日ドラゴンズと千葉ロッテマリーンズが該当する。そこに、ある共通点が見えてきた。
セーブ王が何人も
今季2位でベストナイン無しのロッテ(60勝57敗)と阪神(60勝53敗)は、成績が似ている。投打とも飛び抜けてはいないが、頼れる抑え投手がいるのが特徴だ。
阪神のロベルト・スアレス投手の25セーブ(S)は堂々のリーグ1位。ロッテの益田直也投手は31Sで、パ・リーグセーブ王の増田達至投手(埼玉西武ライオンズ・33S)や2位の森唯斗投手(福岡ソフトバンクホークス・32S)と僅差だ。
セ・リーグ3位の中日ドラゴンズも、ベストナイン入りした選手はいなかった。一方、リーグ2位のセーブ数を稼いだライデル・マルティネス投手(21S・リーグ2位)が奮闘した。
近年でAクラスながらもベストナインゼロだった両リーグの球団で、その守護神が活躍した事例はいくつもあった。19年の阪神(3位)の抑えはラファエル・ドリス投手(19S・リーグ2位)。17年も阪神(2位)のドリス投手が37Sでセーブ王に。16年のソフトバンク(2位)ではデニス・サファテ投手(43S、セーブ王)、07年の阪神(3位)でも藤川球児投手(46S・セーブ王)が活躍した。