厚労省官僚の「疲弊」が限界に達している

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大きな「構造改革」が必要だ

   この問題には、現場レベルの改革とともに、大きな「構造改革」も必要だ。平成の時代に、行政改革、司法制度改革が行われたが、国会改革はほとんど進展していない。憲法の碩学佐藤幸治京都大学名誉教授は、本年9月に出版された『日本国憲法論(第2版)』(成文堂)において、あらためて「国会は実質的な議論を行う場というよりも、手続や審議日程が最大の政治的駆け引きの対象となる『日程国会』(それを支える「国対政治」)と称される、世界の主要な立憲主義国では例をみない事態が長く続いてきた」と指摘し、「積極国家化にともなって、現代の議会のなすべき仕事は飛躍的に増大してきている。日本国憲法の基本的発想に沿って国会が期待に応えようとするならば、古い会期制的発想から脱却し、衆議院議員の総選挙の時期を基準とする『立法期』制度の導入に踏み切ることが重要な第一歩となろう」という。加えて、前述の『日本の国会』で大山礼子駒澤大学法学部教授は、「内閣にある程度、国会審議への関与を認め、内閣を矢面に立たせること」が最も重要な改革だとしていた。これらの改革が行われれば、霞が関が不規則な国会業務で疲弊することは大幅に減らせるだろう。

   ミクロの業務改革とともに大きな「構造改革」が、この令和の世に実現することを切に願う。

経済官庁 AK

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