現在大ヒット中の「鬼滅の刃」。最近では、自分の子に同作品のキャラクターの名前をつける親が出てきているほどだ。
過去にも、ヒット作やブームにあやかった名前が流行した例がある。
19年ではゼロだった「みつり」が立て続けに
ベビーカレンダー(東京都渋谷区)が実施した、2020年11月生まれの子の名前トレンド調査。1万2209人の子ども(女児6048人、男児6161人)を対象に調査したところ、「鬼滅の刃」に登場するキャラと同じ読みの赤ちゃんが270人、同じ名前が18人いた。
鬼滅のキャラ「⽢露寺蜜璃」と同じ読みの「みつり」という名前は、19年ではゼロだったが、20年10月は2人、11月は3人と続けて誕生している。さらに、「嘴平伊之助」の母「琴葉」と同じ「琴葉」という名前は、今年11月生まれの女の子に10人も。
そのほか「玄弥(げんや)」、「天元(てんげん)」、「こてつ」と、鬼滅の刃のキャラと同じ読み方をする名前が複数あった。
明治安田生命が19年3月に公表した、平成30年間における子どもの名前の変遷をまとめた資料を見ると、日本人の影響の受けやすさがうかがえる。
例えば1993(平成5)年にJリーグが開幕した。すると、スポーツ漫画の主人公の名前を子どもに付ける親が増加した。サッカー漫画「キャプテン翼」の主人公「翼」が93年は5位にランクインし、以降もベスト10に5年連続入っている。また、漫画「タッチ」の主人公の名前「達也」も、同年にはベスト10にランクインした。
「平成の怪物」にあやかり「大輔」と名付ける
1999(平成11)年は、「平成の怪物」として甲子園で注目を浴びた松坂大輔投手がプロ野球でも活躍し、大ブームとなった。するとこの年は「大輔」の名前が伸び、98年の32位から4位に大躍進した。また2003(平成15)年はプロ野球・阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たした。タイガースフィーバーの影響からか、「虎太郎」、「優虎」、「丈虎」など「虎」を使用した名前が多く見られた。
女の子の名前では、その年や前後に活躍した人気女優やアイドルの影響が感じられることが多いようだ。2011(平成23)年にドラマ「マルモのおきて」で主題歌「マルマルモリモリ」を歌い、お茶の間の人気者となった女優・芦田愛菜さん。13年には米ハリウッド映画デビューを果たした。この年に「愛菜」は、前年から大幅に順位を上げて9位とベスト10入りを果たしている。
17年には、16年放送の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で主演を務めた「新垣結衣」さんの「結衣」が、前年8位からランクを上げ、6位になった。