横浜市のトイレは長期契約
横浜市は、市が施設を選んでスポンサーを募集する「施設特定募集型」のほかに、団体がネーミングライツを取得する施設を選んで契約を提案する「提案募集型」がある。このケースでは、前出の渋谷区の例で出た「アメニティ」が、「新横浜駅北口公衆トイレ」のネーミングライツを2011年に取得。トイレには「ドゥ アメニティ 新横浜駅前トイレ診断士の厠堂」という愛称が付けられた。
横浜市「街の美化推進課」担当者によると、アメニティはネーミングライツの対価として、金銭ではなくトイレ設備の交換工事、トイレのメンテナンスや清掃をおこなっているという。契約初年度には和式から洋式便所への交換工事を行い、ハンドドライヤーも設置した。
アメニティはこのネーミングライツにより11年、トイレに対する取り組みを表彰する「グッドトイレ選奨」を日本トイレ協会より授与された。こうした経緯を踏まえてアメニティからは契約更新の意向が続いているという。3度の更新を経て、現在の契約期間は20年から25年までという長期契約だ。
他に横浜市では「歩道橋」のネーミングライツ契約も行っている。現状3か所の歩道橋と1か所の人道橋にそれぞれ契約スポンサーが命名している。21年にはまた2か所増える。