メイケイエールは距離をこなせるか
カス丸 ふーん、かなり強そうだじぇい。カスヨさんの二番手はこれもソダシと人気を二分しそうなメイケイエールきゃすう。マイルはちょっと長すぎるような気もするじぇい。
カスヨ 大丈夫よ、カス丸。心配性ね、あんたは。メイケイエールはね、見た目は落ち着かない走りをするんだけど、ともかく速いのよ。小倉2歳ステークス(GIII、1200メートル)で牡馬を一蹴して重賞初勝利を飾ると、続くファンタジーステークス(GIII、京都、1400メートル)では日本レコードで連勝、力の差を見せつけたわけね。まあ、道中掛かり気味のような恰好だったんだけど、いざとなるとスピードは一級品よ。今度はカス丸が心配してるように1ハロン(200メートル)延長がカギとなるんだけど、折り合いさえつけばあっさり勝ち切るだけのスピードは十分持っているわよ。昨年のレシステンシア、一昨年のダノンファンタジーと2年連続でファンタジーステークスを勝った馬が阪神JFを勝っていることから、ローテーションにも問題はまったく無いしね。
カス丸 阪神JFは人気薄が突っ込んでくるレースでもあるじぇい。そんな馬は今年はいるきゃすう?
カスヨ わたしの単穴は▲オパールムーンよ。この馬はね、前走ファンタジーステークスで最後方から鋭くのびて2着だったわ。新馬戦は中団から接戦をしっかりと制したんだけど、高速馬場の厳しい流れでの最後方待機で鋭さを増すという新たな一面を見せてくれたわ。高速馬場の今の阪神にぴったりね。ノリさんこと横山典弘騎手が鞍上だから不気味ね。更なる新能力が引き出されてGIタイトルまで手が届くかもしれないわ。 次にウインアグライアね。この馬は、ともかく先行力が武器。新馬戦では先行したうえで上がり(最後の3ハロン、600メートル)がなんと33秒台というバケモノのような末脚で勝利したわ。続くコスモス賞も先行して勝利。前走アルテミスステークスでは同じく先行したソダシに完敗したんだけど、去年のような前残りの展開になれば上位必至よ。 それとユーバーレーベンね。前走のアルテミスステークスでは折り合いを欠いて9着と勝ち馬ソダシから0.8秒差だったわ。でもね、札幌2歳ステークスでは上がり最速で2着。決して実力が劣っているわけではなく、折り合いがつけば好走する可能性が高い馬なのね。最後はサルビアよ。折り合いに課題があって、前走のファンタジーステークスでは10着と大敗したんだけど、その前は2連勝。いずれも前めからの競馬で抜け出して勝ち切っていて、同じような競馬ができればこれも穴候補だわね。
ガジュマル爺 わしは、まずジェラルディーナじゃな。父が2015年、16年の香港マイル2連覇を含むGI6勝のモーリスじゃ。母は2012年の牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)、ジャパンカップ2連覇を含むGI7勝の名牝ジェンティルドンナじゃ。ジェンティルドンナの父が泣く子も黙るディープインパクト、という超良血じゃ。デビュー戦が3着。次走の未勝利戦が2着。3戦目(阪神1800メートル)でようやく初勝利をあげたんじゃが、まだまだ成長途中で物足りなさが残っておるんじゃ。とはいえ、そこは良血馬じゃ、後ろからの差し脚だけでなく、前めにつける器用さがあるのは大舞台では武器になるはずじゃ。うまくスタートを切って流れに乗れれば、前走勝った阪神コースであっさり勝つ場面があってもおかしくないじゃろ。 もう一頭はエイシンヒテンじゃな。こちらは5戦2勝2着2回。6月の阪神でのデビュー戦(1600メートル)で8着、その後も勝ちきれなかったんじゃが、2走前に未勝利戦(小倉1200メートル )勝ち。3か月の休養明けが前走、白菊賞(阪神1600メートル)で2着馬を0.4秒ちぎって圧勝じゃった。ただ、小柄な馬体で450キロしかないのは物足りないから、もう少し成長があってほしいところじゃ。先行できるタイプで、どれだけ踏ん張れるか。16頭、17頭立ての多頭数のレース経験があるのはプラス。鞍上の若手の松若風馬騎手もいい。父エイシンヒカリは2015年の香港カップ(芝2000メートル)、翌16年のイスパーン賞(フランス芝1800メートル)の海外GI2勝。人気薄の一発は、この馬じゃろ。
カス丸 うーん、まだ2歳だから力が良くわからないじぇい。でも完成度からするとソダシがいちばんきゃすう。本命◎でいくじぇい。