「拡張された接客」の教えを胸に
運用を始めた当初と比べ、担当者は「『エレコムの商品を買いました!』という報告ツイートが増えてきている」と手ごたえを語る。ツイッター検索でユーザーの声を探し、引用RTで感謝を伝え、交流手段の一つにしてきた成果と受け止めている。
時には「使い方がわからず、困っている人」を見つけ、相談に乗ることも。テクニカルな問題はサポートセンターに案内するが、「自分でわかることなら、すぐに答えるようにしています」。実際に、あるユーザーの困り事をリプライで解決したところ、製品購入に繋がった例があった。広報の役割を超え、「営業活動」に一歩踏み込んだ対応を求められる場面も少なくないようだ。
ただ「ガツガツとした営業・宣伝」に踏み込む考えはない。その背景には、運用開始当初に学んだ、ある教えがある。東急ハンズの公式ツイッター担当者がセミナーで明かした「ツイッター運用は、『拡張された接客』」という考え方だ。
「実際の営業現場を見ても、最初から最後まで、ずーっと仕事の話をしている人はいないですよね。重要な話に入る前に世間話をして共感し合ったり、商談の合間に雑談を挟んで緊張を解したり...。ツイッターも同じだと思うんです」
PR色が強い投稿ばかりされたら、見る人は疲れてしまう。
「仕事として情報は発信しつつ『宣伝じゃない宣伝』を心がけるようにしています」