専門家が考える新庄氏の目の「秘密」
日本ライフル射撃協会でチーフドクターを務め、様々なプロ野球選手も診察してきた枝川宏医師(えだがわ眼科クリニック・東京都目黒区)に取材した。すると「部分的に目の器官だけを鍛えることは不可能です」と語った。
そもそも医学的には動体視力の定義が存在しない上に、視力をトレーニングで鍛えることもできないという。また、視力が良くても活躍できない選手、逆に少々悪くとも一軍でプレーする選手、それぞれいるとも。
新庄氏についても、「動体視力が上がったから打てたということではないと思うんですよ」と枝川医師。そのうえで、タイムリーを打てたのは、「彼は再び、ボールを見て打つということを繰り返したんだと思います」と推測する。
「目を鍛えるのではなく、目から入った情報を脳にいかに伝えて、運動指令を出し、全身運動をするか。その中で野球に特化したスキルを鍛えたということではないか」
こうした一連のスキルは、トレーニングによって高めることができる。そうすることで「打てなかったことが打てるようになることは可能」なのだという。その後、「全体的な野球のスキルを彼は上げていったんだと思うんです。打てるようなところまでスキルを上げたと。すごいと思います。10年ぐらい(野球を)やめてたわけですから」とコメントした。