12月3日は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のゲーム機「プレイステーション」の日だ。1994年に発売し、2020年で26周年を迎えた。ツイッターには祝福のほか、初代「プレイステーション」にまつわるエピソードが数多く投じられている。
同じゲーム業界人は、「プレイステーション」にどんな思い出や、思い入れを持っているだろうか。ゲームメーカー、ジー・モード(東京都品川区)の取締役・竹下功一氏に話を聞いた。元ハドソン社員で、プレイステーション2用ソフトの開発に携わった経験もある人物だ。
正統派と「ちょっとおかしい作品」が自由に混在
「プレイステーション発売当時は大学生だった」という竹下氏。記憶に残っているソフトとして、ロールプレイングゲーム(以下、RPG)「アークザラッド」、アドベンチャーゲーム「夕闇通り探検隊」、リズムゲーム「パラッパラッパー」、海洋探索ゲーム「アクアノートの休日」などを挙げた。中でもイチオシは、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)が販売したRPG「ファイナルファンタジーVII」だ。
「ファミコン時代は2Dのドット絵が主流でしたので、発売前に情報を見て、『3Dのゲームが本当に出るの?』と疑問でした。実際にプレイしてそれまでのゲームとは、文字通り世界が変わったなと...。『未来』が来たと思いました」
「プレイステーション」のソフトには「ユニークなゲームが多く、彩り豊かな印象」と振り返る。大手ゲーム会社が手がける正統派の作品と、「現代で言う『インディーズゲーム』のような、よい意味で『ちょっとおかしい』作品」とが自由に混在していたと言う。
「若い頃にプレイステーションで、数々のユニークなゲームで遊んだ思い出」が、今の仕事に生きているそうだ。竹下さんは現在、「G-MODEアーカイブス」のプロデューサーとして、ガラケーのアプリゲームを忠実に復刻するプロジェクトに取り組んでいる。「面白いゲームをなくしてはいけない、長く遊べるように復活させなければ、という気持ちに繋がっていると思います」。