『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)が、オリコン(新書部門)、トーハン(新書・ノンフィクション部門)、日販(新書・ノンフィクション部門)の年間ベストセラーランキングでいずれも1位となり、新書として「3冠」を達成した。
昨年は第3位
本のベストセラーは、おおむね前年の11月から翌年の11月までのおよそ1年間の累計で算出している。そのため毎年12月初めにベストセラーランキングが発表される。
同書は児童精神科医である著者の宮口幸治さんが、医療少年院で出会った「非行少年」たちの衝撃的な実態を明かしたもの。「丸いケーキを3等分してみてください」と言って丸い紙を少年に渡すと、普通は円の中心から放射状に線を引くが、それができない子どもたちが少なくないことをタイトルにしている。
19年7月に発売され、すでに昨年の年間ベストセラーランキングで新書(ノンフィクション)部門の3位にランクインしていた。20年2月に発表された「新書大賞2020」でも、大賞となった『独ソ戦』(岩波新書)に次いで2位。その後も売れ行きが落ちず、今年のトップになった。
オリコンのデータによる同書の期間累計部数(2019年11月18日~2020年11月22日)は 44万4815部。これまでの発行総部数は約65万部。新書としては驚異のロングセラーになっている。