極意その2 ウイルスを吸い込まないため人とは1.8メートル離れてマスク
掃除の際にも、外出にも今や手放せなくなったマスクであるが、マスクでどれくらい感染を防げるのだろうか。
「コロナの感染経路は口から。それも飛沫感染と接触感染の2種類があります。まずは飛沫を吸い込まないようにすることが第一です。そのためにはソーシャルディスタンスで、人と話をするときは1.8メートル離れ、お互いにマスクをしていれば、飛沫感染はほぼ防げることがわかってきました。そして接触感染。手についたウイルスが口に運ばれないよう、石けんと流水で手洗いをすること。もし手洗いができない場合はアルコールによる消毒が効果的です」
冬場にインフルエンザ予防としてマスク装着を習慣にしていたことも、日本人の感染者数が少ない要因の一つだろう。ただし、マスクを常につけているという新しい生活習慣の弊害もあるという。
「口内環境の悪化です。マスクを長時間つけていることで、息苦しさや蒸し暑さから鼻呼吸でなく口呼吸になりがちで、口が常に開いている状態になってしまうこともあります。マスクで顔を隠していることで、表情を作る機会や口元を引き締める機会も減り、顔の筋肉とくに口周りの筋肉の筋力低下がみられます」
そう話すのは日本歯周病学会理事の若林 健史・若林歯科医院院長だ。
口呼吸が増えると学童期や未就学児童の歯並びにも影響が出てくるし、若い女性にはほうれい線や口元の小ジワが増えるといった美容上の悩みも出てきそうなのだ。また中高年は加齢と共に唾液分泌量が減ってくるので歯周病を悪化させる恐れがある。そして全ての年代に共通して言えることは、せっかくマスクでウイルス防御をしていても、マスク装着による口呼吸で免疫機能の低下を招く恐れがあるのだ。