新型コロナウイルスの感染が急拡大している。2020年の終わりが近づく中で心配なのが、大勢が集まる初詣に行けるかだ。
明治神宮(東京都渋谷区)では、毎年300万人以上の参拝客が正月に訪れる。元日には参道から拝殿にかけて密集する人々の光景が、よくテレビで報じられる。例年であれば大混雑する寺社は、対応できるのか。
神社本庁がガイドライン公表
神社本庁では全国の神社に、新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを示し、対策の実施を呼びかけている。換気を徹底し、人と人の間の距離を1メートル確保しての3密回避はもちろん、「一方通行」での参拝者の誘導、消毒の徹底や手水に使う柄杓の撤去といった対応策が提示されている。
ただ、2020年11月18日には日本全国の新規感染者数が初めて2000人を超え、第3波の到来と言われている。ガイドラインに則った措置で乗り切れるか。初詣客の多い明治神宮や浅草寺(台東区)などに聞くと、現時点ではいずれも「対応について検討中」とした。
コロナ禍の今年、混雑の中での参拝事例がある。8月15日の終戦記念日、東京・靖国神社には、例年のように多くの人たちが訪れた。同日付の「BuzzFeed JAPAN」の記事によると、1日で2万4000人が参拝に訪れ、神社側がソーシャルディスタンスを保つように導線を確保するなどの措置を取ったという。そのため、例年以上に長い行列ができたようだ。
とは言え、初詣客の数は多いところになると百万人単位だ。有効な策はあるだろうか。
「分散参拝」に「オンライン参拝」
太宰府天満宮(福岡県太宰府市)は21年3月末までを「初参り」期間とし、人出が集中しないよう日程を分散しての参拝をウェブサイトを通して促している。初詣客の数が例年上位に入る成田山新勝寺(千葉県成田市)もJ-CASTトレンドの取材に、分散参拝を呼びかけていると話した。
ユニークなところでは、「オンライン参拝」というアイデアだ。11月5日の東海テレビが報じた名古屋市の別小江神社は、インターネット上で本殿の映像を配信するとし、自宅からの参拝を呼びかけた。