新型コロナウイルス感染防止にと、帰宅後に身の回りの物を消毒する人が増えている。手でつけ外しする「メガネ」も、洗ってきれいにするのが望ましい。だがその「洗い方」を誤るとレンズを傷つけ、消耗させてしまうという。
「岐阜県関市のメガネ専門店 Eyewear shop ami」の公式ツイッターアカウントによれば、熱い「お湯」はNGだが、「水」で洗う分には問題ない。
「プラスチックレンズ」は60度以上になると膨張
「多くのメガネでは、レンズにブラスチックが使われています。このプラスティックレンズは熱に弱く膨張するのですが、レンズのコーティングはほぼ膨張せず、ついていけないため、ヒビが入ってしまうのです」
同店の販売スタッフで、公式ツイッターの運営に当たっている担当者は「お湯」で洗ってはいけない理由についてこう答えた。冬場は冷水だと厳しい。ぬるま湯はどうかと聞くと、「ぎりぎりOK」という話だった。
メガネの総合情報サイト「メガネ・ポータル」を運営する日本医用光学機器工業会の資料によると「プラスチックレンズは60度以上の高温になると急に膨張する性質があり、コート膜にヒビ割れを生じる場合」がある。消毒したいからと言って、高温のお湯をかけて洗ってはいけない。
水洗いする場合も気を付けるべき点がある。前出の担当者はメガネ専用の洗浄液や、それがない場合は「中性洗剤を薄めた液」を使うことを勧めており、「ハンドソープ(弱酸性)」は控えてほしいという。「ジワジワとレンズのコーティングにダメージを貯蓄させる」ためだ。また洗った後は濡れた状態で放置せず、ティッシュやメガネ拭きですぐに水気を取る。
担当者によれば、メガネは「できれば毎日洗うのがよい」が、1週間に1回程度でも問題ない。
メガネ拭きは「使い捨て」じゃありません
水場がない状態で、そこまで酷くない汚れを取る場合は「メガネ拭き」を用いる。服や、ザラザラとした肌触りのティッシュで拭くと、コーティングがはがれたり、汚れをレンズに押しつけたりしてキズの原因になるため避ける。ただメガネ拭きを使っていても、効果が薄い場合もあるという。
「レンズについているのが皮脂やファンデーションだったり、そもそもメガネ拭きが清潔でなかったりすると、汚れを拭き伸ばすだけになってしまいます。メガネ拭きは消耗品なので、たまに洗濯ネットに入れて洗うか、中性洗剤を付けてぬるま湯で揉み洗いしてください。粉石けんを使うと素材の目に詰まる恐れがあります」(担当者)
ただし、メガネ拭き自体に曇り止めなどの効果がついていると洗ってはいけない場合もあるので注意が必要だ。