企業公式アカウントに個性は必要、でも... SNS運用「任せて安心」な人

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公私混同は煙たがられる恐れ

   企業公式アカウントの個性について、重枝氏は「発言には個性が表れていた方がいい」と賛成の立場だ。気を付けるべきは、個性を出しながらも、その企業にとって誰が顧客で、その顧客にどのような価値を提供しているかを忘れないこと。また、こうした人たちの価値観を否定する、あるいは嫌悪を与えるような表現を避ける。

   個性と言っても、出すべき部分とそうでない部分があるだろう。例えば、「記念日」にまつわる祝福ツイート。企業の創立日ではなく「ツイッター担当者の誕生日」を一つの話題にしてフォロワーと交流をするアカウントもある。祝福するユーザーもいれば、「どうでもいい」と冷ややかな視線も。ある意味、公私混同と受け取られかねない話だ。重枝氏は、出すべき個性と出すべきではない個性について「予め線引きできない」としつつ、こう続けた。

「中の人の誕生日をユーザーたちが祝ってくれて、企業の情報を拡散してくれたり、お祝いで製品を購入してくれたりはあるでしょう。だが、誰か他の人の誕生日を祝っている時に、全然違う日の自分の誕生日をアピールしたら『空気を読めよ』となる可能性もあります」

   アツギの炎上にも、「誕生日を祝う」投稿が関わっている。現在は投稿が確認できないが、20年9月29日に、「#ラブタイツ」企画にも参加した、あるイラストレーターの誕生日を祝うリプライを送っていた。このイラストレーターの作品をアツギが日頃頻繁にRTしていたこともあり、炎上の際に「公私混同」だと指摘する声が殺到した。

   見極めるべきは個性の出し方や「あんばい」よりも、誰が顧客か、その顧客にどのような価値を提供しているかという「ポジション」だ。

(この連載おわり)

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