初の交際相手が結婚相手
近年の中国の躍進は、教育重視の結果だといわれている。その頂点に君臨し、デジタル革命をけん引してきたのが「清北」だ。入学するのは針の穴をくぐるようなもの。そのために中国では中学、高校と激烈な受験競争が続く。その内情を著者は分かりやすい形で言い切っている。
「中国の高校では基本的に恋愛は禁止です」
恋愛する時間がないほど、学業に時間を費やさざるをえないというのだ。高校によっては、生徒の恋愛関係が発覚した場合、退学処分になるほど厳しい。「わざわざそのリスクを冒してまで恋愛する人は少数だと思います」と夏目さんは書いている。この辺りは現地で教育を受けてきた著者の実感なのだろう。
したがって、多くの学生は大学に進学した後に初めて恋愛を経験するのだという。初の交際相手が結婚相手、というケースは珍しくないそうだ。
激烈な競争社会・中国――本書はその中に入り込み、競争を勝ち抜いてきた若い世代の日本人による報告書だ。日本の科学技術、ビジネスに携わる人、高校生や大学生、教育関係者にとっては、有益かつ緊張を強いられるような情報が詰まっている。
価格は1480円(税別)。
書名:清華大生が見た 最先端社会、中国のリアル
夏目 英男 (著)
発売日 : 2020/2/28
46単行本(ソフトカバー) : 240ページ
ISBN-13 : 978-4295403890
出版社 : クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
定価;1480円+税