「よみうりランド」(東京都稲城市)が、プールサイドの特設スペースを仕事用にレンタルできる「アミューズメントワーケーション」を、2020年10月15日に開始した。在宅勤務ならぬ、「在遊園地勤務」を体験できる。
楽しいアトラクションに囲まれ、「誘惑」が多い環境で、業務に集中できるのか。よみうりランドに「出勤」し、体験取材した。
観覧車に乗ったら絶景、日差し、そして眠気が
同プランには、「観覧車1時間乗車券(5周)」がついてくる。ゴンドラを1台貸し切り、ポケットWi-Fi付き「完全プライベート空間」で仕事できるのだ。周囲の目がないと、ついつい仕事から意識が離れそう。一抹の不安を覚えつつ、乗車した。
早速、1周目から不安的中。ゴンドラが頂上前後に差し掛かると園内だけでなく、近辺のゴルフ場や住宅街、遠くのビル群を一望できる。絶景を眺めたり撮影したり、せわしなく過ごしているうちに地上に着いてしまった。あれ、仕事は......。
「2周目こそ」と原稿を書こうとしたが、やはり外が気になってなかなか集中できない。こうなることを恐れ、格好から「仕事モード」を演出しようとパンツスーツで来園したのに。園内で目立っただけで、何の意味もなかった。
ならば、景色が気になりにくい地上付近では仕事をしよう。ところが、エンドレスで流れるBGMが、大きく聞こえてきて体がリズムを取ってしまう。音が小さくなってきた、と感じ始めた頃にはゴンドラの高度が上がり、よい眺めが飛び込んでくる。一体どのタイミングで仕事をすればいいのだ。
開き直って大パノラマを堪能していたら、眠気が襲ってきた。高度が上がってくると日差しで快適になり、うたた寝にはもってこいの場所だと気付いた。気付いてしまった。昼食後に乗車したのは失敗だよ...。記者は結局、乗車時の状態とほぼ変わらない、書きかけ原稿を抱えて、とぼとぼと下車した。