今の子どもたちは、理科の実験でアルコールランプを使っているのだろうか。
インターネット上でこうした疑問が浮上したきっかけは、「理科の実験中にアンモニアの臭気を吸い込み、児童が吐き気や喉の痛みを訴えている」と119番通報があったとの複数報道だ。2020年10月22日、神奈川県川崎市麻生区の小学校で発生した。「Yahoo!ニュース」が掲載した記事のコメント欄には、今と昔の理科の授業の違いを感じるという意見が並ぶ中、「最近の理科の授業ではアルコールランプとかも使わなくなっている」との指摘があった。
「かなり細かく使い方や注意事項が決まっている」
小・中学校の理科の授業におけるアルコールランプの使用状況について、J-CASTトレンドは、関東地方などで幼児~中学生向けの理科実験教室を展開するA社に取材した。担当者は、「実験教室に通う子どもたちから聞いた話」とした上で、「たしかに使わなくなっている学校もある」と答え、こう続けた。
「アルコールランプは簡単に使えるように見えて、実はかなり細かく使い方や注意事項が決まっている器具。今の小・中学校の理科の先生の中には、そもそもアルコールランプやマッチに関するこうした情報を熟知していない人もいるようです」
A社担当者は「はっきりとは断言できない」としつつ、学校によってはこうした事情により、授業でアルコールランプを使わなくなっているかもしれないと話した。
火を使った理科実験を授業で扱わない
では、アルコールランプを使わなくなった学校では、理科の授業で代わりに何を使っているのだろうか。A社担当者はよく耳にする例として「カセットコンロ」を挙げた。
このほか、「そもそも火を使った理科実験を授業で扱わない」学校もあるほか、扱っていたとしても火を使う工程だけを省いて実験を行うケースもあるそうだ。「学校によって対応の仕方はまちまち」とのことだった。