新型コロナウイルスの影響は、リサイクル業界にも及んでいるようだ。ツイッター上では、ディスクやプラスチックケースが再利用可能な原料となるCD・DVDの回収量が低迷しているため、持ち込みを呼び掛ける業者の投稿を確認できた。
コロナ禍の前後を比較して、プラスチックや古紙類などリサイクル資源の回収率にはどれほどの変動があるのだろうか。J-CASTトレンドは、リサイクル業2社に実情を聞いた。
「ライブやイベントの減少でCDの量も減少しているのでは」
先述した、CD・DVDの持ち込みを促すツイートをした三星化成工業(神奈川県海老名市)。取材に応じた代表取締役の星山光成さんは、CD・DVDの回収を数年前から始めたと話す。
「はじめはあまり集まりませんでしたが、他社と違って無料で引き受けることもあって、徐々に回収量は増えました。特に、アイドル関連の物が多く送られてきました」
しかし、新型コロナウイルスの影響でライブやイベントなどCD・DVD頒布の機会が減少。「それに伴って、持ち込まれる量も減ったのではないか」と推測する。プラスチック自体の持ち込みも「ごそっと減った」と星山さん。コロナ禍の影響で原油価格が下落し、プラスチックの価値も下がってしまったため、リサイクル業者に持ち込んでも大した利益にならないと、ゴミに出してしまう人が増えていると嘆いた。
エコバンク(埼玉県白岡市)にも取材した。担当者は、コロナ禍以前と比べると持ち込まれるプラスチックの量は「3~4割ほど」減少したと明かす。原因はやはり、原油価格の下落により、「連動してプラスチックの価値も下がっている」点を挙げた。
「古紙も、以前は飲食店などから出たダンボールをメインで回収していたのですが、営業自粛などの影響でこちらも回収量が減ってしまった。当社に限らず、今はリサイクル業界全体がコロナ禍により厳しい状況になっているんじゃないでしょうか」
影響を受けていない資源は長年の関係から
一方で事業者によっては、コロナ禍の前後で持ち込まれる量があまり変わっていない資源がある。三星化成工業の星山さんが挙げたのは、ポリエチレンだ。
「当社が主に回収しているのは、新聞を印刷所から販売店まで搬送する際に雨に濡れるのを防ぐ包装用フィルムです。大手新聞社と何十年も前から取り引きを続けていることもあって、今も毎日安定した量が販売店などから持ち込まれています」
一方、古紙などの紙類については「もともとあまり持ち込まれていないもの」で、目立った減少などはなかったとのことだった。