農本主義から富国強兵へ向かう時代 新渡戸稲造の思想に学ぶ

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熱狂的愛国心と憂国心

   明治20年代は、脱亜入欧に共鳴できない人びとが主張を強め、思想的対立が強まった時代だ。

   新渡戸は「わが国最近の熱狂的愛国主義」を発表し、諸国民の川は合流して大海に入り各々は特選の捧げ物を大海に注ぎ込む。新時代が到来する。平民社会ができ上がるように四海同胞心ともいうべき思想になると説いた。そして、30年あまりのちの1930年には敵対心や侵略ではなく憂国心、すなわち母心ともいうべき愛国心と友情を育てる優しい議論が必要だと論じた。アジア人として初めて国際連盟の事務次長となった経験が今こそ「憂国の士が必要だ」という確信に昇華していたのだろう。

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