神奈川県では2020年6月以降、横浜市や横須賀市、三浦市で異臭騒ぎが続発している。いまだ原因がはっきりしないなか、10月12日夕方、今度はJR横浜駅周辺やみなとみらい地区を中心に「異臭がする」と通報が相次いだ。
複数の報道によると、同日16時20分ごろからは横浜駅の中央南改札が一時封鎖される事態となったという。騒動から一夜明けた10月13日午前、記者は横浜駅中央南改札周辺とみなとみらい地区を訪れ、聞き込み調査をした。
「ガスが漏れだしているような臭い」
みなとみらい地区での異臭は、ツイッター上で「海側の方でした」「臨港パークの辺りで感じた」という声が挙がっていた。13日10時半ごろ、まずみなとみらい地区の海側に位置する臨港パークに足を運んだ。人影はまばらで、ソーシャルディスタンスに配慮しつつ時折マスクを外しながら20分ほど散策してみたが、異臭は感じなかった。
臨港パークのすぐそばに構えるコンビニエンスストア店員に話を聞いたところ「異臭騒ぎがあったらしいことは知っている」とのこと。一方で、「ずっと店内にいたこともあるだろうけれど、臭いなどを感じたことはありません」。
11時10分ごろに訪れた横浜駅の駅構内も、同様に異臭を感じることはなく、通行人や職員も平時と変わらない様子だった。12日夕方に一時封鎖されていたという中央南口改札の目の前に構えるカフェ店員は、こう話してくれた。
「(12日は)確かに駅構内で異臭を感じました。生ゴミの臭いみたいな悪臭ではなく、ガスが漏れだしているような臭い。駅の東口から徒歩10分ほどの場所にある『アンパンマンミュージアム』の辺りが、特に臭いが強かったらしいです」
現場の大気サンプルを分析中
異臭の原因を探ろうと13日午後、横浜市役所を取材した。環境創造局大気・音環境課の鈴木孝さんは、「現時点では皆目見当もつかない」と話し、こう続けた。
「市役所に入ってくる通報は、シンナー臭い・ガス臭い・ゴムが焦げたような臭い、など多岐にわたっていて、私たちとしても原因の特定に難航しているところです。『もしかしたらこれなのでは』という可能性すら、今のところは推測できません」
現在、市では消防局と連携し、各地の異臭騒ぎの現場で採取した大気のサンプルを環境科学研究所に移送、目下分析中だという。ただ、「分析しても原因がわからない可能性もある」と担当者は口にした。