「体温40.3℃になったんだけど救急車呼ぶタイミングっていつ?」。「一時熱が40度を超えて救急車呼ぶか迷った」末にやめた。こんな声や書き込みがインターネット掲示板やツイッター上に見られる。
発熱症状があると、新型コロナウイルスの感染を疑うかもしれない。そうなると「呼んでも拒否されたら」と、119番に電話するのをちゅうちょしてしまうようだ。
医師や看護師、救急隊員経験者が判断してくれる
こういう場合、総務省消防庁の「救急相談センター事業」を頼る手がある。119の代わりに。「#7119」にダイヤルするのだ。
同庁救急企画室担当者に「救急車を呼ぶタイミング」について取材した。「#7119」にかけると、24時間態勢で医師や看護師、救急隊員経験者といった「医療経験のある人間が相談を受け、客観的指標に基づいてケースバイケースで判断」してくれる。救急車を要請してよいか、今すぐに病院へ行くべきか、といった「救急車を呼ぶ」一歩手前の不安や疑問を受け止めてくれるのだ。
相談員はやりとりで得られた情報に基づき、必要と判断すれば救急車を要請し、緊急度が高くなければ受診可能な医療機関を案内するなどの対応を取る。全国一律で実施されているわけではないが、東京都や大阪府、茨城県、埼玉県、宮城県、奈良県、福岡県など、市町村レベルでは横浜市、札幌市、石狩市、神戸市などで利用可能。詳細は公式サイトの「♯7119実施エリア」で確認できる。
迷ったら「#7119」、切迫した状況なら119
救急企画室担当者によると、こうした「救急相談センター事業」を実施している団体からは昨今「発熱にまつわる相談が来ている」という報告が上がって来ているそう。
「『こういう症状があれば救急車を呼ぶタイミングです』とは一概に言えませんが、迷ったら『#7119』を頼ってください。判断を手助けできると思います」
なお救急車が本当に必要な時は迷わず「119」へ。タクシーだとお金がかかる、自分で病院を探すのが面倒といった不適切な利用例を除き、担当者は「救急車の要請があった場合、 『その症状では救急車は出せません』とは言わず、基本的に出動する対応を取ります」と説明している。