マスク時代は目が命 松本千登世さんは「知性や包容力を語らせよ」と

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むずかしい「絶妙」

   2007年創刊のMarisol(マリソル)は集英社のファッション誌で、主な読者層は30代後半から40代の働く女性。松本さんの短文に続く特集記事では、「マスク時代の目ヂカラを確実に上げるメイクとケア法」が写真入りで紹介されている。

   そしてこの種の実用誌の常で、アイシャドーやアイライナー、マスカラ、ビューラー、アイブロウパウダーといった「道具類」多数が価格入りで紹介されている。

   近くのコンビニくらいならノーメイクという女性が増えたらしいが、マスクが変えたのは女性だけ、化粧だけではない。この前ツイッターにも書いたのだが、マスクは自己主張としてのヒゲも無力化した。ヒゲ歴30年としては、楽といえば楽だが、寂しい。

   さて、目に自分を語らせるにはどうするかというテーマ。化粧には縁のない当方、目元の表情といえば(1)大きく見開く(2)強く閉じる(3)片目をつむる(4)激しく瞬きする(5)目玉を動かす...くらいしか思い浮かばない。どれも目ヂカラというより力が入りすぎで、過剰反応の部類かもしれない。

   なにごとも「絶妙」で止めるのは難しい。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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