ようやく酷暑が収まったが、秋に変わってから心身に不調を感じる人が出てきている。ツイッターには「秋のせいなのかいまいち元気がない」、「眠たすぎる」、「10月病」というつぶやきが見られる。
「秋のせい」とは、あながち間違いではないようだ。秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先の3月ごろになると改善するパターンを繰り返す「季節性感情障害(SAD)」という病が実際に存在する。
治療法は「高照度の光を照射」
済生会の公式サイトによると、SADは「1984年に精神科医のローゼンタールらにより『冬季うつ病』として初めて報告された精神疾患」で、発症年齢は20歳代前半、女性に多い。
冬季うつ病は (1)過眠、(2)過食、(3)体重増加、といった「典型的なうつ病とは異なる非定型な症状が多く」、精神面でも「『意欲低下や思考が進まない』『倦怠感がある』などの抑制症状が中心」とある。(1)は、夜の睡眠時間の延長と日中の眠気の増加が同時に起こるという。また、食欲亢進(編注:食欲がたかぶること)は午後から夜にかけて増強し、白米やパン、パスタなどの「炭水化物」に特徴が出る。チョコレートなどの菓子類を好むケースも多いようだ。
同サイトはSADの原因について、「日照時間の変化と、個体の概日リズム障害」との関連が推定されているとしている。「概日リズム障害」とは、いわゆる体内時計がずれている状態のこと。そのため1~2時間程度、2500~1万ルクスの高照度の光を照射する治療法が第一に選択される。