新型コロナで仕事減のクリエイターに活躍の場を 「オンライン花火大会」で仕掛ける

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「収益度外視」で恩返しだ!

   では、山下さんは「クリエイターオンライン花火大会」でもうけを得ようとしているのか。直球で聞くと、「収益は完全に度外視しています」。今年は花火大会の中止が相次ぎ、「悔しいので、やりたかった」と個人的な思いつきが発端だったという。さらに、こう続けた。

「自分の名が売れたきっかけは、『ポプテピピック』の仕事があったから。そこで多くのクリエイター気質の人たちに救ってもらったと、恩義を感じています。それをクリエイター業界に還元したい。実力があるのに、ただ縁と機会がないだけで評価されていない人は多い。勝手な正義感ですが、そういう人たちが表現し、新たに人と出会える場を作りたいのです」

   クリエイターだけの内輪イベントにならないよう工夫も施した。「オンライン花火大会」は誰でも、オリジナルの線画イラストを応募するとクリエイターが「デジタル花火」に仕立ててオンライン上の夜空に打ち上げてくれる。「色塗り不要で、線画だけなら一般の方も参加しやすいのでは」と山下さん。9月16日時点でイラストは500枚近く申し込まれており、手応えを感じている。

「まずはコロナ禍だからできることをオンラインの強みを生かして形にしたかった。フリーランスはただチャンスを待つとか、振られた仕事をやるばかりでなく、『思いつきを絶対にモノにしてやる』と必死に食らいつく姿勢が大切。今回のイベントが多くのクリエイターにとって、『何か』に繋がるチャンスになってくれたら」

   山下さんは、こう願っている。



山下諒(ヤマシタ・マコト)
映像作家・パフォーマー。
代表作に「ポプテピピック Pop team 8bitパート」、「ポケットにファンタジー【幸子とミク version】」ドット絵パート、「ギャルと恐竜」ロゴアニメ/恐竜くんを探せ!/恐竜ショートショート、「Eテレ 沼にハマって聞いてみた ぬしモンファンタジー」などがある。
現在はクラウドファンディング企画の「ドット絵ミステリー(仮)」で初監督を務めることが決まった。

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