「まだまだ『普及』とはいえないレベル」
NTTドコモ広報の担当者に聞くと、5G対応のスマートフォン(スマホ)は20年9月時点で、全部で6機種あると説明した。KDDI(au)では9機種、ソフトバンクでは4機種だ。
2020年9月11日午後、記者は東京都内の大型家電量販店のスマホ売り場に足を運んだ。目立つ場所に5G対応機種のコーナーがあった。ただ、立ち止まって機種を手に取る客はほとんどいなかった。周囲に控えていたスタッフも積極的に5G対応機種を宣伝することはなく、それほど大々的に売り出されている印象は受けなかった。
現状で5Gサービスエリアは、各社とも駅周辺やそれぞれの携帯ショップ周辺など、範囲が限定されている。
「まだまだ5Gの広がりは『普及』とはいえないレベルです。国内ではまだ全人口のほんの数%の人々にしか使用されていないと思います」
ドコモ担当者は、こう話す。5Gの普及が進めば、いずれは重機の遠隔操作や、危険地域での無人機のリアルタイム操作なども実現できると述べた。ただ、現状ではまだスマホやパソコンで高画質の動画をスムーズに読み込んだり、リモートでのスポーツ試合を限りなくリアルタイムで観戦したり、といった個人レベルでの活用が主なものだと説明した。