冷凍保存や熱湯ボイル、電子レンジ使用にも対応する袋のラップ「アイラップ」。生活用品からインテリア、金属製品までを手がける岩谷マテリアル(東京都中央区)の商品だ。
その公式ツイッターは現担当者が2018年6月1日に開設し、現在11万4000フォロワーを抱える。もともと、一部地域で知名度のあったアイラップの既存ユーザーに、同社が販売するポケット形状のおにぎりシート「おにぎりぽっけ」を認知してもらう目的で、広報経験なし・SNS初心者が自発的に作った「3か月限定」アカウントだった。
ツイッター社の教えにならって投稿したら「バズった!」
《アイラップ【公式】》商品の紹介や、生活にまつわる情報、中の人の個性がわかるツイートなどを投じている。一般ユーザーが「アイラップ」を使って調理した投稿も数多くRTしており、「消費者目線」を積極的に取り入れたタイムラインが特徴だ。現担当者が約2年3か月運用中。
担当者は開発営業課所属の社員。普段は企画や開発、デザインを手がけながら合間にツイッターを担当している。「アイラップ」は業務の中で取り扱う商品の一つという位置づけだ。
上司との取り決めで「3か月限定」に定まっていたアカウントの運命を変えたのは2018年7月18日の投稿。当時トレンド入りしていたハッシュタグ「#一般人の方が時々誤解しておられること」をつけ「アイラップ」が全国区の商品であるとアピールし、RTして応援してほしいとつぶやいたところ、情報が瞬く間に拡散された。「まさか『アイラップ』の方で話題になるとは思いませんでした(笑)。『バズる』という現象もよくわかっていない頃です」と担当者は振り返る。
「SNSを業務で運用した経験はゼロ。右も左もわからない状態でツイッター社主催の初心者向けセミナーに参加し、手帳を文字でびっしりにした思い出があります(笑)。そこで教わった『トレンドのハッシュタグをつけてつぶやく』を実践した結果、本当にアイラップが話題になり、メディアにも取り上げられ、商品売り上げも伸び...『3か月』の命を超えて今に至っています」