岩手県花巻市で毒キノコによる食中毒が発生した。2020年8月31日、IBC岩手放送が報じたニュースによると、8月27日に50代男性が花巻市の山で採ったという毒キノコ「カエンタケ」を誤食し、28日に食中毒の症状で入院した。
誤って毒キノコを食べてしまう人の事例は毎年のように報告されている。特に誤食されがちな種類や、間違って毒キノコを食べてしまう理由について、J-CASTトレンドは厚生労働省に取材した。
友人から「食用だ」と渡されて食べたら...
同省食中毒被害情報管理室の担当者は、「よく誤って食べてしまう人がいる毒キノコについては、代表的なものを厚生労働省公式サイトにて紹介しています」と説明した。
公式サイト上にある「毒キノコによる食中毒に注意しましょう」の項によると、食用のヒラタケやシイタケと間違えやすい「ツキヨタケ」、ホンシメジやハタケシメジと間違えやすい「クサウラベニタケ」などが例に挙げられている。いずれも、食後30分~1時間程度でおう吐、下痢、腹痛などの中毒症状を引き起こすという毒キノコだ。
「誤って食べてしまう理由としては、やはり食用のものと似ているので間違えてしまったというものが多いです。また、自分で採取しなくても、友人や知り合いから『食用だ』と渡されて食べたところ毒キノコだった、というケースもあります」
時期によって姿かたちが変わる
「キノコは同じ種類でも、時期によって姿かたちが変わるもの」と担当者。見分けることに慣れた人でも間違えることがままあり、「食べられるかどうかを自分で確実に判断できないキノコは、絶対に食べたり人に渡したりしないようにしてほしい」と注意を呼び掛けた。
なお、「毒キノコによる食中毒に注意しましょう」の項によると、毒キノコによる食中毒発生件数の年平均は2012年~18年の7年間で36件(小数点以下を四捨五入)、患者数の年平均は93人となっている。