ツイッターのフォロワー数が、わずか2日足らずで40人から5万人に「爆増」――。
島根県松江市にあるしょうゆ・みそ・ドレッシングの製造会社・安本産業のツイッターアカウントに起きた実話だ。2020年8月26日にツイートしたほっこりエピソードが話題を呼び、見る間にフォローが殺到。「ツイッタードリーム」の渦中にある同社ツイッター担当はどんな思いでいるのか、取材した。
スタート1か月はフォロワー5人
「気づけば、よくわからない世界に来てしまっていました...これからどうしようかなと(笑)」
安本産業の担当者は、まだ夢見心地のようだ。ツイッター運用を始めてまだ3か月ほどの初心者で、8月26日に、
「(一応)企業アカウントなので成果がないとtwitterを辞めさせられてしまう厳しい世界です うちのアカウントを見た上司と同僚が『フォロワーが40人もいて、いいねもたくさんついててメッチャバズってるじゃん!』と言っていました。当分の間は大丈夫そうです」
との投稿でフォロワーが急増した。だが、「フォロワーをここまで増やそうと思ってつぶやいたものではありませんでした」。
新型コロナウイルスの影響を受けて売り上げが落ち込んでおり、「オンライン関係を強化しよう」という社内方針の一環としてツイッターを始めた。スタートから1か月くらいは「フォロワーが5人くらい」だったが最近40人ほどに増えたことが嬉しく、喜びをありのまま表現したことが成果に繋がった。公式サイトの商品一覧ページを見ると、「SOLD OUT」の文字がずらり。フォローだけでなく注文も押し寄せているようだ。
「会社からは良い意味で『やってくれたね!』と言われました。今後はツイッターにかける時間を少しずつ増やし、これまで同様に日常的なツイートや商品紹介するだけでなく、リプライなどでフォロワーと積極的に交流もしたいのですが、今はとにかく注文対応に手いっぱいです(笑) 感謝感激です」
「ツイッターって『打算だけじゃない』」
この快挙をほほえましく見守るベテランツイッター担当者がいる。天然醸造のしょうゆや、もろみ、酢の製造・販売会社こむらさき醸造(兵庫県朝来市)だ。安本産業と同じ「地域に根差したしょうゆ会社」として、「同業社として、地方のしょうゆ屋さんが注目されることはうれしいこと!」と8月28日に祝福ツイートした。
この担当者は、ツイッター運用歴4年。J-CASTトレンドが取材すると、安本産業のツイートを「『フォロワーを増やしたい』ではなく、『フォロワーが40人もいて嬉しい!』という純粋な思いを強く感じます。『初心』を一言で表す内容だった」と評し、こう続けた。
「当社の商品は全国的に置いているものではありません。ですから私もアカウント開設当初は日々壁に向かってしゃべっているような気持ちでしたし、反応をもらえたら『奇跡』でした。フォロワーが増えると、『地元以外にも商品を知ってくれている人が少しずつ増えているのだ』と感じ、本当に嬉しかった。その頃の自分を思い出します」
そのうえで「ツイッターって『打算だけじゃないな』と改めて思いました」としみじみ語った。
同時に、「あっという間にフォロワー数を抜きさられたことは衝撃だった」と刺激を受けているようだ。
「運用開始間もないアカウントが広告やプレゼントキャンペーンではなく、普通のツイートを介してこれほど多くのフォロワーを一挙に獲得した例は私が知る限りでは、ないです。本当にすごい!見習いたいです」