医療系アプリの開発などを手掛けるアルム(東京都渋谷区)は、自社開発のスマートフォン(スマホ)向け救命・健康サポートアプリ「MySOS」を改良。スマホ内蔵カメラ技術を組み込み、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)診断の重要な指標となる「SpO2(血中酸素飽和濃度)」「呼吸数」などを測定可能としたと、2020年8月25日までに発表した。
さらに、専門医療体制や自治体、保険会社と連携した新型コロナウイルス感染対策のシステム「MyPass」も開発。これにより、今後は大規模なイベントなどを、満員の状態で開催できる可能性を高められるとした。
イベント参加者の感染リスク状況を把握
アルム発表資料によると、COVID-19の診断では「体温」「自覚症状」「SpO2」「呼吸数」が重要な指標とされる。アルムが提供する「MySOS」では、スマホ内蔵カメラで「SpO2」と「呼吸数」を自動計測、記録する。
電子チケット情報と連動した数千・数万人規模のイベント参加者へ事前に送られた「MySOS」専用検査キット(PCR・抗体検査)による結果を、「MySOS」を通じてアップロードする。合わせて、イベント当日までの10日間以上の体温や嗅覚などの自覚症状、SpO2、呼吸数を「MySOS」に記録する。今回開発した「MyPass」は、これらをユーザー自身が行うことで、イベント参加者の感染リスク状況を把握することを目的としたシステムだ。
イベント当日、参加者の来場時にはスクリーニング(感染の疑いがある参加者への医師による PCR 検査ならびに専門医診断)を行う。イベント後に感染が発覚した場合は電子チケットシステムの情報から座席を追跡でき、濃厚接触者や保健所への連絡、医療機関への受診勧奨も行う。こうしたいくつかのステップにより感染症リスクを最大限管理することで、満員の状態でのイベント開催実現、およびイベントの開催前から開催後までのすべての参加者の健康状態を把握できるようになる。