「24時間テレビ」(日本テレビ系)の恒例企画・マラソンが、今年は形を変えて登場する。シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんによるチャリティーイベント「募金ラン」だ。
私有地内にある1周5キロのコースを周回するごとに、10万円を寄付する。高橋さんに賛同するアスリートや俳優数人も「助っ人」として参加し、ランナーが走行距離に応じて寄付をする仕組みだ。ただ、ツイッターには「訳がわからない」と困惑の声が広がっている。
「走らされる上にカネまで取られる」
2020年8月22~23日の「24時間テレビ」は、放送時間を丸々使って行う「公道でのチャリティーマラソン」を中止すると発表していた。それを受け、ツイッターには「ルームランナーでやればいい」、「一人個室で24時間スクワットを」といった声が上がっていた。
発表された「募金ラン」は、ランナー自ら寄付をする趣旨に理解が追いつかない人が多いようだ。以下に代表されるように、首をかしげるようなツイートがいくつも見つかる。
「走らされる上にカネまで取られるのか...」
「今年の募金ラン企画って本当に訳がわからない。高橋尚子さんの持ち込み企画ってほんとかな。疑ってしまう」
またツイッターには「『走らなくても寄付』ではダメなのか」との問いかけのほか、公道でのチャリティーマラソン中止となったことを節目に「走る、という行為から脱却できるいいチャンスとは考えないんだな」と厳しい意見も。連日の暑さを踏まえ、「『日々、災害級の猛暑』と言われ続けているのにも関わらず走らせるつもり!?」とランナーの身を案じ、「募金ラン」に否定的な人もいた。
ロンドン、ニューヨーク、東京マラソンでも
ただ世界では、ランナー自らが募金者となるマラソンイベントは珍しくない。
有名なのは、英ロンドンで毎年4月に行われる「ロンドンマラソン」だ。ことしは新型コロナウイルスの影響で10月に延期にされた。ニュースサイト「プレジデントオンライン」19年6月付記事によると毎年4万人以上が参加しており、そのうち約75%は、日本円で20万~30万円台を寄付したチャリティランナーが占めるという。ことしは中止となったが、米ニューヨークで開催される「ニューヨークマラソン」にもチャリティランナー枠がある。
国内では、「東京マラソン」が40の寄付先事業(団体)からチャリティーランナー自身が支援先を選べる「東京マラソンチャリティ」が導入されている。また「仙台国際ハーフマラソン大会」では、「東日本大震災からの復興を応援していくチャリティー文化の普及を目指す」目的でチャリティランナー部門を設けている。