ファーストリテイリングが2020年8月4日、国内の「ユニクロ」、「ジーユー」の全店舗で、使い捨てショッピングバッグの無料配布を終了すると発表した。9月1日からは1枚一律税込10円で販売すると共に、マイバッグの利用を促進していく。
これを受けツイッターには「プラスチックのゴミを減らすためにレジ袋有料化したはずなのになんで紙まで有料になるんだよって話だわ」と疑問の声が複数上がっている。国が掲げる「レジ袋有料化」では「紙袋」、「布の袋」、「持ち手のない袋」は対象外である点を踏まえ、なぜ有料にするのかと怪訝に思っているようだ。
「紙袋を有料化した理由」を取材したら
J-CASTトレンドは8月5日、ファーストリテイリングに取材し、「紙袋有料化の理由」を尋ねた。すると
「国の施策とは無関係です。もともと、19年7月に『2020年までに店頭での使い捨てプラスチック包装を2018年実績から85%削減』することを掲げ、ショッピングバッグや商品パッケージといった、店頭でお客様の手に渡る使い捨てプラスチックを減らす取り組みを行ってきました」
と回答があった。この施策の一つに「オリジナルエコバッグの販売」や、「エコバッグ利用促進に向けたショッピングバッグの一部事業での有料化」が含まれていたという。
本来は20年4月1日からユニクロとジーユー国内全店でのショッピングバッグ有料化実施予定だったものの、「紙袋の店舗への投入スケジュールに遅れが生じた」ことから延期になっていた。広報担当者は「もう少し早く準備する予定だったのですが、国のレジ袋有料化より後の実施になってしまいました」と語る。タイミングの兼ね合いで、「なんでユニクロはビニール袋じゃない紙袋を有料化してんだ?」と受け止められる結果になったようだ。
「エコバッグ万引き」への対策は
ファーストリテイリングではオリジナルエコバッグ(M・Lサイズ)も税抜・各190円で19年秋から販売している。広報担当者によると昨今売上が伸びており、「利用客の意識が変わっているのを感じる」という。
ただ「エコバッグ」による弊害も出てきている。記者が取材した8月5日、ツイッターのトレンドワード欄には「エコバッグ万引き」という不穏な語句があった。レジ袋有料化に伴いエコバッグを利用する人が増えたことで、「エコバッグ使った万引き被害」も増えてしまっているというのだ。現状、対策などは考えているのか。
「今のところ、そうした被害については聞いていません。衣料品なのでさっと袋に入れにくいというのもあるのではと思います」(広報担当者)
今後、必要に応じて適切に対応していきたいと話した。