猛威を振るう新型コロナウイルスで、家庭内での感染も増加している。FNNプライムオンラインの2020年7月29日付記事によると、7月22日~28日の1週間での感染者は、夜の街の関係者が200人だったのに対し、家庭内での感染は212人だった。一時は夜の街クラスターが問題視されていたが、それを上回ったのだ。
最近では、家の中でもマスクを着ける人が増えているようだ。
「遂に家の中でもマスクが義務化された」
家庭内感染では、母親から家族4人に、孫から祖父母に、といった事例が報告されているという。こうした報道を受けて、ツイッターには「家に入った時なるべく綺麗にしたって限度ある」、「家の中でマスクなんかしないし 家族で距離取って生活できないよ」と、家での感染予防の難しさを呟く人が多い。
一方で、やむを得ず自宅でもマスクを着けて過ごす人も。
「我が家は、遂に家の中でもマスクが義務化された......もう勘弁してくれ神経質過ぎる」 「家の中でもマスク辛い。外でもマスクなのに」 「もう家の中でも、近めで話すなら片方はマスクしようって言ったんだけど」
感染より熱中症のリスクの方が高くなる可能性
しかし、今の時期心配なのが熱中症だ。環境省は、室内でも熱中症は多く発生しており、夜間であっても注意するよう促している。
まず、マスクを着用した場合に熱中症をどう防ぐか。日本救急医学会や日本感染症学会などが合同で作成した「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」の中で、まとめられている。
感染予防としてマスクを着けるのであれば、新型コロナウイルスに感染した患者から出た「エアロゾル」(気体中に浮遊する微小な液体、または固体の粒子と周囲の気体の混合体)などを吸い込む可能性がある特殊な状況でなければ、N95などの高機能マスクではなく一般的なマスクを使用すべきだとしている。
また、マスクを着用すると、普段よりも体への負担が強いため、作業や運動には十分注意し、強い負荷の運動は避けるように、とある。のどが渇いていなくても、こまめな水分補給も重要だ。
では、熱中症の危険性がある室内でマスク着用は必要なのか。20年6月1日放送の情報番組「news every.」(日本テレビ)内で、日本体育大学大学院教授で救急医学を専門とする横田裕行氏は「家族や同居者の中に感染者がいなければ、家の中ではマスクをする必要はない」との見解を示した。
特に高齢者はもともと熱中症のリスクが高いため、暑い中、家の中でエアコンを稼働させずにマスクをしていると、感染より熱中症のリスクの方が高くなる可能性があるとのことだった。