新型コロナウイルスが感染拡大していても、仕事は毎日続くものだ。テレワークできず、出社が避けられない人にとって、会社側がどう感染対策を講じているかが重要になる。
異なる職業に就く3人に、職場の現状について話を聞いた。
幼稚園「職員は二の次」自衛するしかない
人と密着せざるを得ないカイロプラクティックの施術に携わる男性は、「対策への不満はないが(感染への)不安は消えない」と答えた。職場では、朝一番にスタッフの検温、勤務中はマスク着用が原則、施術中はフェイスシールドをつけ、手洗いと消毒を徹底している。ただ「できる限りの対策はしているが、ソーシャルディスタンスの確保は不可能」と話した。
不動産関連会社の営業職の女性は、対策に満足していない様子。「緊急事態宣言が発令されていた期間は在宅で事務作業でしたが、解除されてからは出社し、外勤も復活しました。会社から言われているのはマスク着用と手洗いくらいで、それも義務ではない」。
職場が幼稚園の女性は、まず登園する子どもの感染防止が第一で、職員は二の次だと話した。子どもは登園時に検温と消毒、イスは間隔をあけて置き、弁当を食べるときは机の真ん中についたてを置いている。また、保護者が密にならないよう、行き帰りの時間をずらすなど工夫しているという。園児が帰った後は、職員が保育室の床、ドアノブ、おもちゃなどを、時間をかけて全て消毒している。
一方で、職員に対しての感染対策には不満があるという。職員室でも教員同士の距離は近く、どうしても密に。続けて、こう明かした。
「『手洗いや消毒はなるべくしましょう』と園から言われてはいますが、各々で気を付けるようにという程度で対策が十分とは言えません。職員が感染したら元も子もない」。