マスク着用によって、肌荒れする人が増えているようだ。ツイッターには「ずっとマスクだから肌荒れやばいって!」といった投稿が続出している。
J-CASTトレンドは、医療法人斎仁会「かきお駅前さいとうクリニック」(神奈川県川崎市)の院長でアレルギー性鼻炎などを専門とする齋藤光代氏に、マスク皮膚炎について取材した。
マスク自体が肌に当たってかぶれる
齋藤院長によると、「マスク皮膚炎」は肌全体が真っ赤になる、部分的に赤くなったりカサカサする症状があり、肌荒れやニキビに悩む人も多いという。
原因は、擦れや蒸れなど。マスク自体が肌に当たってかぶれたり、口の動きにより肌とマスクが擦れると角層のバリア状態が悪化し肌荒れが起きる。また、暑さによってマスクや顔に水滴がつくが、それを放っておくと蒸れた状態が続くため、肌トラブルを引き起こす。
マスクはガーゼなら良い、と思い込む人もいるが、意外と当たるとカサカサするそうだ。その刺激が肌に伝わり、肌荒れにつながることも。「新品でノリのついた固いガーゼではなく、柔らかい肌に優しいものだといいかもしれない」と院長。
患者は若い女性や中年の女性が多いという。メイクによって毛穴が詰まることも原因。「不思議なことに、少し高齢の方だと脂が少ないのか、トラブルで来る方は少ないです。また、知恵もあるので『マスクしてるからメイクはしない』と70歳を超えた方が言っていたりします」。
丁寧な保湿、自分に合うマスク探しを
そもそも健康な皮膚にはバリア機能が備わっており、ばい菌などを侵入させない役割を担っている。しかし、そのバリアが刺激や乾燥によって壊れてしまうと、肌トラブルが生じるのだ。
マスク皮膚炎の対処法はまず、肌のバリアをつくるために丁寧な保湿が重要だと齋藤院長。とくに保護力の大きい「ワセリン」が効果的だ。化粧水も保湿には優れているがすぐに乾燥するため、こまめに塗りなおすなど使い方を工夫すると良い。
人のいない場所ではマスクを外して蒸れを逃す、通気性の良いマスクを選ぶのも手だ。
通気性の点では、最近「冷感マスク」が多く販売されている。一方でツイッターには「冷感マスクのせいで赤くなった」などの書き込みが。
齋藤院長は、「冷感マスクだから」というよりも、そのマスク自体が肌に擦れることなどが大きいのではないか、とした。「例えば、熱冷却シートでもずっとぴったり貼っていると赤くなったりします」。ただ、問題なく使えている人は着用を続けて良いとのこと。
「肌が弱い人はどんな生地でもかぶれてしまう。マスクも何が合うのかは人それぞれで、着けてみないと分かりません」
そのうえで、「自分に合うマスクを探すことが大切」と話した。