豪雨災害の被災地でボランティア課題 「新型コロナ」外からの支援に難しさ

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   熊本県を中心に九州各地を襲った、2020年7月初旬の豪雨。被害は大きく、いまも断続的に降る雨が復旧活動にあたる人々を悩ませている。

   被災者は、水害で壊れた家屋の片づけを一刻も早く進めたい。頼りになるのがボランティアだ。ところが今年は新型コロナウイルスの影響で、各自治体では原則、地元在住者のみボランティアを許可するなど、制限している。支援は長期的に必要だが、今後の人手不足が懸念される。

  • 熊本県八代市坂本町藤本地区(7月5日)
    熊本県八代市坂本町藤本地区(7月5日)
  • 大分県日田市内(写真クレジット・NPO法人リエラ)
    大分県日田市内(写真クレジット・NPO法人リエラ)
  • 熊本県八代市坂本町。崩落した深水橋、坂本駅付近(7月5日)
    熊本県八代市坂本町。崩落した深水橋、坂本駅付近(7月5日)
  • 熊本県八代市坂本町藤本地区(7月5日)
  • 大分県日田市内(写真クレジット・NPO法人リエラ)
  • 熊本県八代市坂本町。崩落した深水橋、坂本駅付近(7月5日)

被災自治体どこも「地元在住者限定」

   豪雨災害に見舞われた各地では災害ボランティアセンター(ボラセン)を設置し、ボランティアの受け入れ態勢を整えている。4連休初日の7月23日、熊本県人吉市では朝8時半から大勢のボランティアが集まった様子をNHKが報じた。全員が県内からの参加者だ。

   人吉市は、水害で壊滅的な打撃を受けた球磨村と協働でボラセンを開設している。熊本県では八代市をはじめ、被災した各自治体がボランティアを受け入れているが、いずれも県内かその市町村在住者に限っており、事前登録を求めるところもある。大分県日田市、福岡県大牟田市といった他の被災自治体も、ボランティアは地元在住者限定だ。

   全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が6月1日に公表した「新型コロナウイルスの感染が懸念される状況におけるボランティア・NPO等の災害対応ガイドライン」では、基本方針として「支援は、被災した地域内での対応を中心に考え、原則として外部からの人的支援は遠隔での対応が主体となる」としている。また、全国社会福祉協議会の指針として、災害ボランティアセンターは「広域に幅広くボランティアの参加を呼びかける災害ボランティア活動を行うべきではない」と記述している。

   記者は2016年4月の熊本地震で、熊本市ボランティアセンターを取材した。当時の記事を振り返ろう。同センターが立ち上がったのは「本震」から6日後の同年4月22日で、「初日は1000人超がボランティア活動を希望してセンターに足を運んだ」とある。また「センター開設当初数日は、800~1000人がボランティア活動に参加。ゴールデンウィークに入ると、受付者数が1000人を超える日も」となっている。5月4日には3582人が集まった。

   人吉市社会福祉協議会のフェイスブックを見ると、20年7月23日にボランティアに参加したのは、1208人。八代市では同日、306人と同市社協がフェイスブックで報告している。日によってばらつきがあるが、2ケタ台のときもある。

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