楽譜は何を伝えているか(7)

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10世紀終わりのイタリアに現れた修道士

   現代の我々は楽譜システムやピアノの鍵盤を想像することにより「ドの1つ上にある音はドのシャープ、そしてその上はレ」などと無意識に音階に縛られていますが、ドとレの間に別の音があっても良いわけです。我々の使っている音階は、楽譜というシステムにより、定義され担保されているのです。

   楽譜が不完全な時代、「音が外れている」とか「音痴」という問題がなかった代わりに、みんなで同じ音を出す、というのも難しかったのです。音の決定、つまり音階の創造・・このことは、また別の長い長い物語になりますので、別の機会にしたいと思います。

   音楽という目に見えないものを、なんとか目に見える形にできないか。音楽を記すことができれば、伝承や伝達が大幅に楽になるのに!最初のミレニアムを迎えようという10世紀の終わり、イタリアに一人の人物が登場します。聖歌隊の指導者となる修道士、グイードでした。アレッツォという街で活躍したので、グイード・ダレッツォと通称で呼ばれる彼は、現在では「楽譜の発明者」と考えられています。

   彼は何を考え、どんな革命的な発明をしたのか、次回から見ていきたいと思います。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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