新型コロナウイルス感染拡大の経済対策として、国が事業者(個人事業者を含む)に対して支給する持続化給付金。これを利用した、悪質な勧誘・詐欺行為が発生している。
国民生活センターは、公式サイト上で2020年7月に寄せられた詐欺に関する相談事例を紹介している。
「10万円の給付金とは別にもらえる」とだまそうとする
持続化給付金は、新型コロナウイルスの影響により1か月の売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者を対象として支給される。
しかし昨今、受給資格がない消費者へ不正受給を持ちかける非常に悪質な勧誘事例が、国民生活センターに報告されている。例えば、次のような例だ。
30代女性は、無料通話アプリに学生時代の友人から「特定の会社を通じて持続化給付金を申請すると、サラリーマンでも無職でも100万円の給付金が受け取れる」とメッセージが届いた。その会社の名前を聞いたところ「名前はないが、税理士がついているので心配ない」、「給付金を受け取った場合、その6割を会社と税理士に支払うことになる」と言われた。
20代男性は、友人から「特別定額給付金 10 万円とは別に持続化給付金がもらえる。代理人に自営業をやっていることにして申請してもらい、給付されたら謝礼を渡せばいいようだ。銀行口座とマイナンバーを教えて欲しい」と連絡があった。
いずれも、給付金制度を悪用した詐欺と見られる勧誘だ。国民生活センターは、事業を行っておらず受給資格がないサラリーマンや学生、無職の人が、自身を事業者と偽って申請をすることは犯罪行為(詐欺罪)にあたるとし、「誘いに乗った消費者自身も罪に問われる可能性が高い」と発表している。たとえ友人や知人からの誘いであっても、きっぱり断ろう。