「危険! カツオノエボシが漂着しています」
2020年7月7日午前、公益財団法人かながわ海岸美化財団(神奈川県茅ケ崎市・以下、美化財団)がこうツイートした。相模湾沿岸に点々と漂着しているというカツオノエボシは別名「電気クラゲ」とも呼ばれ、非常に強い毒をもっている危険な海洋生物だ。
神奈川県内に限らず、今夏は新型コロナウイルスの影響で海開きを中止し、救護所を設置しない海岸が多い。最悪の場合は命にかかわることもあるというこの猛毒クラゲ、万一刺されたらどのように対処すれば良いか。
「絶対に素手で触れたり足で踏んだりはしないで」
J-CASTトレンドが美化財団の柱本健司さんに電話取材をすると、「カツオノエボシには特徴的な浮き袋があり、非常に風の影響を受けやすい生き物です」とその生態を語った。海面近くを漂っているところに陸へと向かう風が吹くと、それに運ばれるようにして浜辺まで打ち上げられる。そこで、こう注意を促した。
「浮き袋の部分にはこれといった危険性はありませんが、触手の部分には猛毒があります。刺されてしまった場合は電流が走ったような激痛があり、しかもその痛みが数日間続きます。見かけても、絶対に素手で触れたり足で踏んだりはしないでください」
また、同じく電話取材に応じた新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)クラゲ担当の足立文(あや)さんは、
「カツオノエボシには数種類あるのですが、日本で見られるものは主に太平洋を流れる黒潮に乗って漂着します。そういった理由から、やはり太平洋側の海岸に出没することが多い」
と説明。特に「各地で海開きが始まる7~8月」から出没しはじめ、それに比例するように「泳いでいる時に刺された」「浜辺を歩いていたら知らずに素足で踏んでしまった」といった被害報告も出始めると話した。