オリエント史から見えた政教分離や信教の自由の意義

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メソポタミアで生まれたイエス中心のマニ教

   マニ教は、メソポタミアで生まれたイエス・キリスト中心の宗教だ。「真のキリスト教」を目指しているが、同時代の地中海のキリスト教徒からは蔑視されていた。それは、マニ教が旧約聖書を否定し、神の子イエスがマニを含めて8人の使徒に繰り返し具現化すると主張したことによる。

   ローマ教会とは全く異なるマニ教は、ゾロアスター教あるいは仏教が浸透するササン朝ペルシャ帝国での布教を念頭に編み出され、その後バリエーションも作られている。ササン朝ペルシャ皇帝に3世紀に献上された「シャーブフラガーン」がその一つで、イラン系の宗教に見間違うほどに教義が変化している。布教のためには、イエスの位置づけさえ変えてしまえばいいと考えるマニ教は、中央アジアでは、「真の仏教」になるべく再び変質を遂げ、布教には大成功するが、キリスト教からははるかに隔たったものとなり9世紀には姿を消した。

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