東京都青梅市で捕獲された野生のイノシシ1頭から、豚熱(CSF、豚コレラ)が確認された。都が2020年7月2日、発表した。
都内では近年、しばしばイノシシが出没している。豚熱の野生のイノシシは今回が初だが、もし感染したイノシシと接触した場合、ヒトへの影響はないのか。今一度確認しておこう。
豚熱は豚やイノシシが感染する伝染病
直近でイノシシが都内で見つかったのは、6月17日。日の出町でのことだ。それ以前には19年12月3日に足立区内の河川敷で目撃された。同じ年の10月7日、立川市では野生のイノシシ2頭が出没。その後12月14日と15日にも同市内で見つかり、立川警察署は注意を呼びかけていた。
今回捕獲されたイノシシから確認された豚熱とは何か。
農林水産省の公式サイトによると、豚やイノシシが感染する伝染病で、以前は「豚コレラ」と呼ばれていた。強い伝染力と高い致死率が特徴だ。治療法はなく、発生すると家畜業界への影響が甚大であることから、家畜伝染病に指定されている。20年5月7日までに、岐阜県、愛知県、埼玉県、山梨県など複数の県で、野生のイノシシから豚熱の陽性確認がされている。
しかし、豚熱がヒトに感染することはない。そのため、仮に豚熱に感染したイノシシと遭遇、接触したとしてもうつることはない。