2008年の北京五輪で金メダルに輝いた、ソフトボール女子日本代表の山田恵里選手(日立製作所)。卓越した打撃センスで「女イチロー」と呼ばれ、主将として優勝チームを引っ張った。
あれから12年。今夏開催予定だった東京五輪は、新型コロナウイルスの影響で1年延期となった。それでも大舞台を知るベテランは、応援を力に変えて再び頂点を目指す。(聞き手はJ-CASTトレンド編集部・藤原綾香)
五輪1年延期「プラスだと受け止めています」
――東京五輪延期を受け、今どんな思いで日々を過ごしているのでしょうか。
山田 本来(2020年開催)であれば不安を抱えたまま五輪を迎えていたと思うので、準備期間が長くなったことはプラスだと受け止めています。本番に向け、フィジカル面では下半身強化のトレーニングを、メンタル面では自分自身と向き合う時間を増やしています。
――「不安」の原因とは。
山田 昨年、色々と考えすぎてしまい思ったように成績を出せなかったことです。その反省を踏まえ、「決めたことは、やり切る」というテーマを掲げて今年、そして来年に成果を繋げていけば、結果は変わっていくかなと考えています。
――五輪にかける強い気持ちが伝わってきます。北京五輪後、ソフトボールは五輪競技から消えました。
山田 はい。目標を見失って気持ちが入らなくなり、燃え尽き症候群に陥りました。正直、ソフトボールをやめようかなとも思いましたね。でも応援してくれる人、支えてくれる人たちに「恩返しをしたい」という気持ちや、ソフトボールに打ち込めることへの感謝を原動力に、競技を続けています。