少子化対策 若者の生の声を聴き心に寄り添って

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日本とは違う欧米固有の価値意識

   日本の少子化対策は、その初期から、欧米でみられる少子化対策的なもの(家族政策等)と同様に、子育て支援や仕事と家庭の両立支援が中心であった。筆者は、結婚・出産・子育てなど家族について、欧米と日本の価値意識にはかなりの違いがあり、日本の少子化対策が「空回りしてしまった」面があるという。

   欧米では、家族に関する慣習・意識として、(1)子は成人したら親から独立して生活するという慣習(若者の親からの自立志向)、(2)仕事は女性の自己実現であるという意識(仕事=自己実現意識)、(3)恋愛感情(ロマンティック・ラブ)を重視する意識(恋愛至上主義)、(4)子育ては成人したら完了という意識、という特徴があるとする。

   成人したら親に依存せず1人暮らしをするので結婚や同棲は1人暮らしに比べると経済的に合理的、男性も女性も仕事をもって経済的に自立することが当然とされているので仕事を続けることが重要、人生のパートナーを情熱的に求めることが価値として定着しているので愛があればパートナーになるのが自然、子どもが成人すれば親の責任は果たしたとみなされる社会であるので子育ての責任が限定、ということでそもそも少子化が起きなかったり(米国、英国など)、若い男女の自立を助ける子育て支援や両立支援といった少子化対策が効果的だったりする(フランス、スウェーデン、オランダなど)ことになる。

   しかし、日本では、多くの若者にはこうした欧米固有の価値意識はあまりあてはまらず、加えて、(1)「リスク回避」傾向、(2)「世間体重視」、(3)子どもへの強い愛着-子どもにつらい思いをさせたくないという強い感情、という日本の家族に特徴的な意識や慣習があるとする。

   日本の若者は将来にわたり生活水準を維持できるかということを気にするので、交際する前に子育てから老後までを見据えて、経済的に少しでも不安のある相手との交際を避けようとするなど、リスク回避の意識が結婚や出産を控える要因になっている。また、結婚したり子どもをもって育てたときに、自分や子どもが世間からどのようにみられるかが気になるし、子どもに対する将来にわたる責任意識が強いので、子どもにつらい思いをさせたくないという思いや、子どもが成人した後も支え続けるという考えがあることが、子どもの数を絞ったり、子どもに十分な環境を与えられないかも知れない結婚をしないことにつながっていることになる。

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