サッカー日本代表DFでイタリア1部(セリエA)サンプドリアの吉田麻也選手が2020年6月29日、オンラインによるリモートトークライブに参加し、およそ100人のファンと交流を楽しんだ。
このイベントは「KIRIN presents サッカー日本代表吉田麻也リモートトークライブ」。「応援について語ろう」をテーマに1時間、ファンからの質問に直接答えた。
「いつも応援しています」はありがたい
「ボンジョルノー」
イタリア語の挨拶で明るく登場した吉田選手。画面越しにファンは「キリンレモン」を、吉田選手は水の入ったグラスを手に「乾杯」した後、さっそく質問タイムへ。
吉田選手と同じセンターバックでプレーしているという9歳の男の子には、「シンプルに点を取られないことが一番」とアドバイス。また今は他のポジションを数多く経験するよう勧めた。
欧州各地でプレーしてきた経験から「お気に入りの街」を問われると、「暮らしやすさは英国」。ただ今年2月にイタリア・サンプドリアに移籍すると、チームの本拠地ジェノバに来て「もう英国の3年分ぐらいの太陽浴びてます」と笑った。
「応援の力」について質問を受けると、スタンドからの声援はピッチ上で割とよく聞こえていると吉田選手。「日本の応援は、温かい。欧州だといいプレーに対しては盛り上がり、そうでないとヤジが飛ぶ。分かりやすい」と明かした。けがをしたときなど、苦境に立たされた時に受ける応援は心に響くという。「守りのかなめ」だけに失点すれば批判されがちなポジション。それでも「いつも応援しています」と言われるのはありがたいと話した。プレー中、残り5分、攻め込まれている時に「踏ん張れ」と鼓舞されるのは力になるようだ。
新型コロナウイルスの影響で、イタリアでは無観客試合でのプレーが続いている。そのなかで「今、いいパフォーマンスを見せないといい契約が勝ち取れない」とモチベーションは高い。
単身での移籍に「家族の大切さ」感じる
トークライブ後、吉田選手は報道陣の質問に答えた。2月に家族を残して単身で移籍後、新型コロナウイルスの感染がイタリアでも拡大。住まいはワンルームを借りたためトレーニングするスペースが限られ「これは参った」と振り返る。それでも狭い場所で心肺機能を上げるトレーニングをはじめ工夫を重ねた結果、「いい準備ができたと思います」。一方で、オランダ・VVVフェンロに所属していた2012年以来の一人暮らしとなり、「家族の大切さ」を感じたとしみじみ。
「僕らができることはサッカー」と吉田選手。選手としてピッチ内外でやれることを模索してきたという。今は無観客試合が続くが、プレーで少しでもファンに元気を与えたい、そして状況が改善され、以前のように多くのサポーターがスタンドで応援できる日が戻ってきたら「心の底からサッカーを楽しめるように」良いパフォーマンスを見せていくと誓った。